東京国際アニメフェア「スカイ・クロラ」トークショー

3月27日から30日にわたって東京ビッグサイトで東京国際アニメフェアが開催されたが、29日の日本テレビブースでは、押井守監督の劇場アニメ最新作「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」のトークショーが開催された。

トー
クショー第1部は「押井守が生まれ変わる日」と題し、「スカイ・クロラ」はそれまでの押井守作品とはひと味違ったものになるというテーマを中心に語られ
る。たとえばキャスティングについては、具体的な名前はまだあかされなかったが「今までやらなかったことをやろうと、俳優を起用した」「きっと誰もが知っ
ているひとです」と押井は発言。プロの声優の技能を高く評価し、今まで自作に声優を使うことにこだわってきた押井にとってはおおきな変化だ。
また
押井は今まで、若いキャラクターを中心に描くことを苦手としていたというが、今回は「自分が(脚本を)書いちゃうと、今までの映画と同じ物になっちゃうか
ら、今回は自分で書かないと決めた。脚本家は、自分とは年齢も性別も違う方がいいと思った」ということで、以前「世界の中心で、愛をさけぶ」などの脚本を
担当した、若手女性脚本家の伊藤ちひろを「スカイ・クロラ」の脚本家に起用したという。
さらに、原作ファンにとっては気になる「結末は原作から変えた」という押井の発言もあった。結末がアニメではどのように変わっているのか、原作を読んでいるひとにとっても、最後まで見逃せない展開になりそうだ。


方で「ずっと飛行機を、アニメで本格的にあつかってみたいと思っていた」という押井は、「スカイ・クロラ」で描かれるレシプロ戦闘機の飛行や空中戦に、か
なりの自信をもっているようだ。劇中に出てくる戦闘機のデザインについても「アニメに出てくる飛行機って、とても実際には飛びそうにもないデザインのもの
が多いけど、『スカイ・クロラ』では実際に飛ぶ飛行機としてデザインし、飛行機の専門家に見ていただいて『これなら飛ぶでしょう』というお墨付きをもらい
ました」「高度計などコックピットの計器類も、実際に飛んでいたときにどんな数値になるかを正確に再現しています」ということだ。そうやってリアリティを
出しつつ、迫力ある空中戦を描いているという。
また映像全体のクオリティに関しては「(2004年に公開した)『イノセンス』を越えることは2度
とできないし、ほかの誰にもあと20年はできないでしょう」と発言。押井は「スカイ・クロラ」を映像を見せる映画というより、ドラマを見せる映画としてつ
くったという。そのため、キャラクターの魅力を引き出し、キャラクターをどのように芝居させるか、キャラクターをどのように動かすかに力をそそいだとい
う。そして、その作画を支えた作画監督の西尾鉄也について押井は「テッツン(西尾鉄也)はがんばった。ひとりで全部のカットに目を通したし、最後まで逃げ
なかったし。今回の映画は、彼の映画と言ってもいいと思います」と発言している。

トークショーの第2部はその西尾を招き、「監督、それど
うなの?」と題して、押井と西尾の対談形式で行なわれることに。諸事情により、トークショー開始時間が遅れるというハプニングが発生。そのあいた時間に押
井は、ビッグサイトの別の場所で開催されていたドッグショーを見物に行っていたという余談も。また、「スカイ・クロラ」で西尾ひとりが作画監督を引き受け
たことについて、押井は「(西尾が)自分ひとりに作画監督をやらせなきゃ、おりるって言ったから」というと、「言ってないよそんなこと!」と西尾が否定す
るなど、終始なごやかな雰囲気で対談は行なわれた。押井は、本来キャラクターデザインはイラストレーターかマンガ家に頼むことを考えていたらしい。だが西
尾は、キャラクターデザインもみずからやりたいと立候補したという。
「僕はこれまで、漫画など最初から絵があるものからアニメ用のキャラを起こす
ということはしていたんですが、小説など絵がないものからキャラを起こしたことがなかったので、今回はキャラデザインからやりたかったんです」という西尾
だが、もちろんすべて自由にキャラデザインできたわけではない。「(ヒロインの)『草薙水素はおかっぱで、メガネで……』と全部押井さんに指定され、完全
に押井さんの趣味で決められました(笑)」とのはなしである。
また西尾は、「スカイ・クロラ」ではひとつあたりのカットがほかのアニメに比べてひ
じょうに長いことに苦労し、またアクションシーンを描く機会がなかったことにも苦労したという。「アニメはふつう、1カットあたり3秒くらいの長さなんで
すけど、『スカイ・クロラ』は10秒以上が当たり前、いちばん長いところで2分半くらいあって、淡々と日常の描写が描かれています。そうなるともう、原画
チェックとかしたくなくなりますね(笑)。映画を見るひとにとっては、合間合間に派手な空中戦シーンがあるから飽きないと思いますけど、派手なシーンは全
部CGにもっていかれました。アクションシーンを描くことができたらストレス解消になったんですけど……(苦笑)」と、西尾は語っていた。
一方で
西尾は、できあがった「映画」に関してはひじょうに満足しているようで、「ふつう、自分が関わった作品の映像を見ると『ああすればよかった、こうすればよ
かった』といろいろ思うんですけど、音がついたほぼ完成状態の『スカイ・クロラ』を見たら、ただ純粋におもしろく感じられたんです。初めて見る映画のよう
に楽しめたんですよ。やっぱり映画は絵、音楽、セリフなどを全部あわせた総合芸術だなと思いました」とも話していた。

映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」は8月2日公開。4月中には、新たな予告編などが公式サイトほかで解禁される予定だ。

スカイ・クロラ 公式サイト http://sky.crawlers.jp/

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